パブリック・ドメインのテキスト作品を読むためのリンク集
パブリック・ドメイン(PD)となったテキスト作品を、ネット上に公開し、誰もが自由にアクセスし公共財として利用できるようにしようという試みは、おそらく1971年のProject Gutenbergが嚆矢なんじゃないかと思います。それに触発されて、さまざまな国で類似の試みがなされてきました。日本では青空文庫が典型ですが、でも青空文庫ほどビッグではないけれど、(古雜文庫のように)個人的にPDを公開しているサイトもあります。これは、そうしたサイトのリンク集です。(ただし、そうしたサイトにある総てがPDというわけではないので、よく確認して利用して下さい)
青空文庫
青空文庫は、日本のパブリック・ドメインのテキストを公開しているサイトとしては最大級で、1997年2月にスタートした最古参のプロジェクトです。Project Gutenbergにインスパイアされています。マークアップ言語ではなく、文字ベースの独自の青空文庫記法で書かれており、日本語のキャラクタを表示できるディスプレイがあれば読むことができます。しかし、それでは読書としては流石につらいので、サードパーティから「えあ草紙」「青空リーダー」等の縦書き表示できるツールが提供されています。
作成は青空工作員とよばれるボランティアの手で行われています。入力者とは別の校正者が校正をおこない、テキストの正確性を担保する仕組みになっていますが、校正作業に時間がかかり、公開前の滞留が問題となっています。
プロジェクト杉田玄白
プロジェクト杉田玄白は、山形浩生さんが、「勝手にいろんな(外国語の)本や文書を翻訳して公開しちゃおう」って呼びかけて始まったプロジェクトです。青空文庫の翻訳版といったところ。翻訳者の著作権はあるので、完全なパブリック・ドメインというわけではないが、クリエイティブコモンの表示、表示-継承、あるいはそれと同等なライセンスで提供されているので、ほぼパブリック・ドメインといっていい。
でも、このプロジェクトは10年前くらいから更新止まっています。それに、作品は共通サーバーではなく、翻訳者が個別に置いとくことになっていたので、リンク切れになってたり、もう行方知れずになったものが多々あります。この成果物の幾つかは青空文庫に収録されているものもあります。
うわづら文庫
岡島昭浩さんがおやりになってるプロジェクト。スキャンしたものをPDFで提供されています。国語学的なものが多い感じですが、面白そうなものが多々あります。ちと読みづらいのが難。
いくつかサイトが別れていて、うわづら文庫の他にうわづらをblogで、うわづら文庫@ココログ、box.netがあります。新着はtwitterのうわづら文庫新着情報で配信。
私立玉川用賀村中央図書館(新館)
私立玉川用賀村中央図書館(新館)は、春木一郎電子文庫、栗生武夫電子文庫、原田慶吉電子文庫、いろいろ電子文庫、梅雨空文庫、いたづら文庫から構成されており、html、テキスト、PDF、Epubと樣々な形式で提供されています。最初の三つの文庫はローマ法関係の文書です。この中では梅雨空文庫が文学ぽい感じです。
ここは、ダウンロードして読むのは自由ですが、「又貸し禁止」となっており、再配布は禁じられています。
科学図書館
科学図書館は、「科学的知識は万人によって 共有されるべきもの」という理念のもとに、自然科学だけなく社会科学・人文科学のパブリック・ドメインの著作(村田全氏の著作を除く)が読めます。形式はPDFです。なかなかの品揃えです。
やぶちゃんの電子テクスト
これは、やぶちゃんこと藪野直史さんがやっておられる電子テキストです。サイトは心朽窩旧館:俳句篇、心朽窩旧館:小説・戯曲・評論・随筆・短歌篇、心朽窩新館およびBlog鬼火~日々の迷走から構成されています。html版がメインで、一部縦書き化されています。それと少数ですがPDFもあります。丁寧な注釈がつけられているものが多いことが特色です。
SOGO_etext_library
SOGO_etext_libraryは、sogoさんが、「ネット上でもっと気軽に読める文書を増やしたい」という思いからやっている電子テキスト・サイトです。sogoさんはもともとプロジェクト杉田玄白の翻訳作業員をやっていたので、その翻訳物は、翻訳系e-textから読めます。それからsogoさんは現在、青空文庫工作員なのですが、このサイトの特色は、入力済みだけど校正完了前のテキストを青空文庫形式で公開されていることです。青空文庫Galleryの下の青空文庫公開前テキスト一覧およぶお知らせページが見ることができます。